「ボストン ストロング 〜ダメな僕だから英雄になれた〜」★★★ [映画日記]
ジェイク・ギレンホールが製作と主演を兼ねて入魂。
入れ込んでんの!
2013年のボストンマラソン爆弾テロ事件で、両足を失うという重傷を負ったジェフ・ボーマンさんに焦点を当てた物語です。
同事件を扱った作品には、マーク・ウォールバーグ主演の「パトリオット・デイ」がありますが、あっちはテロリスト捜査が中心。
こっちは事件捜査シーンはほとんどなく、FBIが出てきたとしても顔は映りません。
顔出しNGだったのかもしれませんが、すっぴんだったから!
テロ場面が恐ろしく、テロの被害に逢うのは、裕福でもない一般庶民。
「テロとは本当に腹立たしく、許せないもの」と思わせてくれる導入部。
「もしも自分が被害に遭っていたら。あるいは被害者の家族だったとしたら」と考えながら観てしまい、涙が出て仕方がありませんでした。
その後は、被害者における人生の変わりようが、ものすごく細かく描かれています。
重傷のボーマンさんが、包帯を取る場面だけでも長いです。
それだけでも激痛で、ものすごく辛いということなのでしょうね。
原作は、ジェフ・ボーマンさんによる回顧録「ストロンガー」ということで。
本編にはボーマンさんの生活情報が満載ですよ、恥ずかしいくらい!
排便情報から、女性を抱いた情報まで包み隠さずですから!!
ボーマンさんが働いていた職場は、スーパー「コストコ」だったんですね〜。
「コストコ」の上司が、すごくいい人で良かったですけども。
ボーマンさんに、「ダメ人間」の一面があることが今作の特徴。
ガールフレンドとの待ち合わせに、度々遅刻しているというボーマンさん。
約束があっても、お部屋でグズグズしてしまうグズ男さんなんですよ!
嫌気がさしてるガールフレンドとは、破局と復縁を繰り返す仲。
抱いてズルズル続く仲!
そんな2人を見ながら「正直、別れた方がいい」と思ってしまいました。
しかしながら、この2人のラブストーリーがドラマチック。
やっぱり映画には必要ですね、抱いたり抱かれたりする要素は!
「テロでの重傷」がメインのお話かと思いきや、最終的には「テロでの重傷」を人生の一部にして、1人の男性が成長を遂げるお話に。
主役はテロではなく人である、という転換がお見事でした。
ボーマンさんのガールフレンド役を演じているのはマズ子!(←タチアナ・マスラニー)
ドラマ「オーファン・ブラック 暴走遺伝子」にて1人数役を演じ、ゴールデン・グローブ賞他、数々の賞を受賞しているマズ子ですけども。
濃厚な芝居をかましてくるジェイク・ギレンホールの脇だと、色あせて見えてしまって残念でした。
霞んで見えたわい、霧の摩周湖みたいに!
同時に「ジェイク・ギレンホールって、やっぱりスゴイな」と思いました。
ボストンを本拠地とする野球チーム「レッドソックス」がフィーチャーされたりと、ご当地応援ムービーとしての役割もある今作。
普段はアメリカ的なノリは苦手ですが、今作のように映画化で被害者を支援するという、アメリカっぽい大らかなノリは良いと思う〜。
アメリカらしい感動作でした。
コメント 0