「ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦」★★★☆ [映画日記]
陽気な邦題が付いてますけども、スパイ・コメディみたいな!
第二次世界大戦中のチェコを舞台に、ナチスの大物ラインハルト・ハイドリヒを暗殺する計画「エンスラポイド作戦」を真正面から描いた硬派な作品です。
暗殺部隊の1人ヨゼフ役を演じたのはキリアン・マーフィですよ。
あの、エラの張った殿方!
チャームポイントは「エラ」っていう!!
キリアン・マーフィが仕事が出来る人、っていうのは分かっているので、個性も演技力も想定内でしたけども。
発見だったのは、ヨゼフの相棒的存在クビシュを演じたジェイミー・ドーナンが、すごく良かったことですよ。
ジェイミー・ドーナンといえば、代表作「フィフティ・シェイズ」シリーズでブレイクした、世界的なセクシー男優。
「エロ」で売れた殿方!
今回のジェイミー・ドーナンはエロを封印して、新たな渋い魅力を打ち出してきています。
ジェイミー・ドーナンのギラギラした目つきが、戦争中の緊迫した世界観にピッタリ。
意外に合うんですよ、ジェイミー・ドーナンと「戦争もの」が。
味噌汁の具にレタスが合うような意外性!(←クックパッドからの情報)
ジェイミー・ドーナンが地味な服装をすると、なるほど確かに、チェコあたりに住んでいる暗いイケメンに見えなくもない。
陰気な男前ですよ!
あの派手なセクシー男優から、戦時中のチェコとかの、陰鬱な雰囲気を引き出すことに成功しているのでした。
まず、ヨゼフとクビシュは民家に隠れ住むことになるのですが。
居候から始めんの!
隠密で暗殺計画を練りつつも美女と知り合い、ヨゼフにも、クビシュにもラブストーリーが展開されるところが、また良いです。
演じているキリアン・マーフィにも、ジェイミー・ドーナンにも、元々色気はありますから。
デフォルトでセクシーなんですよ、チキショーッ!
戦時中の密かな恋愛劇が、良いアクセントになっておりました。
監督・脚本を手掛けたショーン・エリスという人は、元々ファッション・カメラマンだったそう。
当時の殺風景な絵づらの中にも、セピア調の色彩等、どこかエレガントな風情が漂っていたことにも納得でした。
作品で描かれた「エンスラポイド作戦」のことをウィキペディアで調べてみたところ。
恋愛要素以外は、映画の物語と、ほとんど同じことが書かれてました。
史実を、かなり忠実に再現したと思われます。
暗殺計画の壮絶すぎる展開に衝撃を受けました。
ナチスと戦う、って、悪魔と戦うに等しい感じ。
ナチスに人間味が一切ない。
0パーですよ!
ナチスの狂気を見せつけられました。
暗殺計画を実行しようが、中止しようが。
実行して成功しようが、失敗しようが、どうやったって絶望しか待っていない、っていう運命に心が打ち砕かれました。
ナチスと戦う、っていうことは、当時の人々にとって極限の恐怖。
本当にひどい時代で、人間の黒歴史だな〜、と思いました。
観た後は、辛すぎて相当ヘコみました。
お膝を抱えたんですよ!
これは、元ファッション・カメラマンのショーン・エリスって監督、よく作り上げたと思います。
ファッションとは真逆のお仕事。
きっと「エンスラポイド作戦」に魅了されている人なのでしょう。
きっとマニア!
今作の他にも、ラインハルト・ハイドリヒを描いた「ナチス第三の男」という映画もあるそうなので、amazonプライム・ビデオで見つけたら観てみようと思います。
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