「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」★★★

 

テレビ男優が成り上がったわい！

 

ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のジョン・スノウ役でおなじみ、キット・ハリントンが話題の映画で大役を演じていてビックリ。

 

キット・ハリントンがオスカー女優と肩を並べて演技してるんですよ、ベイ子とかザンスーと！（←キャシー・ベイツとスーザン・サランドン）

 

「ゲーム・オブ・スローンズ」出演者の中では最も出世したのではなかろうか。

一気に抜きんでたわい。

 

鼻差で一等じゃーっ！（←競馬かい）

 

キット・ハリントンが演じた役は、アメリカのテレビドラマで人気沸騰中の若手男優ジョン・F・ドノヴァン。

旬のテレビ男優が、旬のテレビ男優役を演じてるっていう。

 

グッド・タイミング・キャスティング〜！

 

冒頭からジョン・F・ドノヴァンが謎の死をとげ、その真相はいかに？…という物語に発展。

 

彼と文通していたという少年ルパート・ターナー役が、名子役ジェイコブ・トレンブレイくんで、その母親役がナタマンというオールスターキャストになっています。（←ナタリー・ポートマン）

 

名優たちは難しい芝居をこなしていて、演技は見ごたえバッチリ。

 

母と息子、おばちゃんと男子、というキャラ配置が多くて、どの場面も「年長の女性に対して、仲良くしたいけど理解してもらえずイラついている男子」というシチュエーション。

 

バラエティ豊かなイラつきでした！

 

監督・脚本を担当したグザヴィエ・ドランは、こういう設定作りがお上手〜。

 

男子のイラつき方もリアルで、「一体グザヴィエさん、これまでの人生で、どんだけ年長の女性にイラついてきたのやら」と思いました。

 

グザヴィエ・ドラン作で初めての英語劇ということで、アメリカ人客などへの配慮でしょうか、複雑な構成の物語を分かりやすくするためか、説明が多かった気がします。

 

これまで以上にメジャー感のある作品で、プロっぽいアメリカの風味。

 

ちょっぴりバタ臭い！

 

過去作品では、野生味のある勢いを感じましたけど、今回は凝った作りだし技巧派という感じ。

感動シーンも計算が行き届きすぎて、すこしクサさを感じるくらい。

 

臭みがツンときたんですよ！

 

やや堅苦しさや、ぎこちなさを感じましたが、まだまだ作風は瑞々しいと思いました。

グザヴィエ・ドランの成長過程を目の当たりにしている感じです。

 

キャッチコピーは「ちょっぴり大人のグザヴィエ・ドラン」でいいと思います！

 

ジョン・F・ドノヴァンが死んだ理由は？という、謎が魅力でしたけども。

観てみたら結局、死んだ理由なんて分からず終いだったんですけど〜。

 

何でもいいから理由を教えてほしい、餅を喉に詰まらせたとか〜。（←正月の老人かい）

 

ジョン・F・ドノヴァンが抱えていた秘密も、2020年の今となっては珍しい秘密でも何でもなく、謎の難易度は低めでした。

 

しかしグザヴィエ・ドランが抱く、嘘にまみれた芸能界に対しての怒りは十分に感じとれました。

 

その反骨心を、いつまでも持ち続けてほしい、丸くならないでほしいです。

 

The Death And Life Of John F. Donovan [DVD]

• 出版社/メーカー: Eone
• 発売日: 2020/01/14
• メディア: DVD

コメント 7

のむらさん。
私も観ました。
学校でジェイコブくんをいじめる子のやり方が
陰湿で嫌でした。
嫌だわ～って思いました。
一緒にいたらストレスがたまりそうな人たちがたくさん出てきましたね。最後、マイ・プライベート・アイダホのシーンを思い出しました。あの終わり方すき。
https://www.youtube.com/watch?v=bpyTAjNJWWU
前の女の子が最後こく歌が流れてきたら号泣して下を向いていました。お掃除の人入ってきちゃってるよ。。
by 内幸町 (2020-03-22 18:31) 

内幸町さん。
そうそう「マイ・プライベート・アイダホ」など、いろんな作品のオマージュがありましたね。小学生の子供から年配まで、キャラの描き方が相変わらず幅広くて「グザヴィエ・ドランってスゴイな」と思いました。最後で泣いちゃう女子客もいたんですね〜。
by のむら (2020-03-23 00:19) 

管理人さんおはようございます（＾－＾）
グザヴィエ・ドランはフレンチスター様大集合の「たかが世界の終わり」で気になる監督になりました。

これも観たい！ですがうちの地域ではやってないです・・・(T_T)
顔面演技がすごいみたいですが。DVD待ちですね・・・。

by かつかつ☆ (2020-03-23 06:30) 

かつかつ☆さん。
そちらでは公開していないんですか、残念です！「たかが世界の終わり」以上のメジャー感があるので、もしかしたら興行的な成功も狙っていたのかも。グザヴィエらしく、顔面アップを多用していましたよ。機会があったら観ていただきたいな。
by のむら (2020-03-23 23:26) 

これは見て良かったす。ポートマンは元より雑誌記者のタンディ･ニュートン(細っそ!)から、サランドンも、最後にワンシーンの神演技で場をさらうダンブルドア校長まで! ただあの子がああ成長して人気俳優になったにはイマイチ色気不足。シャラメ君起用は無理としても、もっと目の大きい甘めの２枚目はいんかったかね?ま、主役が引き立たなくなるかもだけど。ゲイがらみのお話なのでイイ男が見られて眼福、眼福(笑)
by ちびまま (2020-03-27 19:45) 

そっか、予定通りのニコラス･ホルトがぴったりだけど、そうするとキット･ハリントンがきっと負けそうだもんね。
by ちびまま (2020-03-27 20:13) 

ちびままさん。
今回の作品、気に入ってもらえて良かったです！なるほど、成長した姿がニコラス・ホルトだと、確かにキット･ハリントンが負けますね。食われますね！成長した姿が、あれくらい地味で良かったのでしょうね。「最後のダンブルドア校長の正体が神様説」を観賞後に聞いて、なるほどと思いました。面白い映画でしたね〜。
by のむら (2020-03-27 22:58)