「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」★★★ [映画日記]
*ネタバレはありません。
出版業界の闇ですよ!
ベストセラーの影で、読者には名前も覚えてもらえず、作家になる才能もないから翻訳業にしがみつくしかなく、何ひとつ報われることはない悲しい職業、それが翻訳家!!…なのだそう。(←劇中のセリフ等より)
「そんなことないっしょ?翻訳家の方々は結構儲けてらっしゃるんでしょ?見せてごらんよ、預金通帳」とも思いましたけども。(←いやらしい)
今回の作品は、そんな翻訳家9人が繰り広げるミステリー。
こんなに翻訳家が集まる物語は珍しい〜。
「こういう映画は、今までに無かったな」と、新鮮な気持ちで鑑賞いたしました。
発売前からベストセラー確実の人気小説を世界中で売るため、9カ国から翻訳家が集められて隔離。
出版社は、情報漏えいを防ぐために翻訳家たちを束縛するものの、ある日「小説の冒頭をネットで公開してやる」という強迫メールが出版社に届いて「犯人は誰?」、となる展開。
ものすごく面白そうなお話なのですが、登場人物が9人以上もいると、やや話が複雑〜。
9人分の「個人エピソードさばき」がイマイチ。
さばいても、さばいても、さばききれてないんですよ!
握っても握ってもさばききれない、回転寿司屋の寿司職人みたいなもん!!
観終わった後、「結局、あの人、何だったの?」と疑問が残ることもあるのですが、全体的には、まあまあ面白いお話でした。
「作家(翻訳家)vs出版社」という対立関係に発展するところが劇的。
作家と出版社の人が取っ組み合いの大ゲンカ〜キャハハハハッ!(←笑う場面ではありませんでしたが)
「芸術vs商売」という構図が、この物語のテーマになっておりました。
物語の元ネタは、ダン・ブラウン原作「インフェルノ」の出版時、各国の翻訳家を集めて地下室に閉じ込めて翻訳させた、という実話によるもの。
ベストセラー業界の、狂気を感じさせるエピソードですな〜。
劇中で翻訳される人気小説のタイトルは「デダリュス」ですよ「デダリュス」。
「イミダス」じゃありませんから!
劇中では「デダリュス」の物語が引用されることもあるのですが。
どうやら女が死ぬ話みたいです。(←ザックリとした内容説明ですが)
「まー、それほど面白そうな小説でもないわな。そんなの売れんわ」とも思いました。
9カ国から集まった翻訳家のみなさんが、それぞれの国の言葉で気持ちをぶつけ合う様が楽しかったです。
出演者の中には、海外ドラマで見かける顔がチラホラ。
その中で唯一、知名度のあるスター様がオルガ・キュリレンコなのですが。
カバンのキーロックを開ける3ケタの数字を言い当てる際、キュリレンコ自身の出世作でもあるスパイ・シリーズから、「007」の数字を口にしたところでニンマリ。
3ケタの数字を適当に並べていくだけで、やがてキーロック解除!
ミステリーは複雑でしたが、3ケタ・パスワードの解除は簡単でした。
昨日観ました。
とても面白かったです。
ネタバレ厳禁ですなぁ...
by 怪しい探麺隊 (2020-02-06 07:51)
怪しい探麺隊さん。
変わっていて面白いミステリーですよね。次は、同じくミステリー作の「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」を観てほしいです!
by のむら (2020-02-06 23:09)
「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」観てきました。
面白かったっす。
by 怪しい探麺隊 (2020-02-11 07:00)
怪しい探麺隊さん。
観たんですね!今年は初めからミステリー作が豊作ですよね〜。
by のむら (2020-02-11 12:28)