「マリッジ・ストーリー」★★★☆ [映画日記]
2020年のゴールデングローブ賞に6部門もノミネートされましたよ、藪から棒に!
だから慌ててNetflixで再生して観たのです。
こういう時、Netflixって便利だな〜、と思います。
賞にノミネートされた作品を当日に観ることが出来ますので。
即日OKなんですよ、サラ金の契約みたいに!
一組の夫婦が離婚時に体験する、気持ちの高ぶりを描いております。
ジャンルは「離婚もの」!
夫婦役を演じているのは、スカヨハとアダドラですよ。(←スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバー)
合わせてスカドラですよ!
夫妻の間には 8歳の一人息子がいる、ということで、「スカヨハも、そんなお母さんを演じる年なのか〜」と思う〜。
スカヨハの髪型が飾りっけのないショートなのが良いです。
化粧っけもなくサッパリ、サバサバした魅力が全開で、なんだか、ちっちゃいフランシス・マクドーマンドとでもいうような味わいに。
ちっちゃくて、かわいくしたフランシス・マクドーマンドですよ!
スカヨハは舞台女優、アダドラは劇団の演出家という設定で、わすかに「男社会のショービジネス界で女性がもがいている」みたいな要素を盛り込んでいるところが、ゴールデングローブ審査員の心を掴んだのかな、と思いました。
わずかに「MeToo」の香り〜。
さりげない香りが漂っているのです、花王の柔軟剤フレアフレグランスで仕上げた洗濯物みたいに!
そんな隠し味がありつつも、ほとんどの場面が日常感のある夫婦の会話劇。
スカヨハ演じる妻と、彼女の実母は芸能人なのですが、スカヨハの姉だけが一般人というところが面白かったです。
平凡を絵に描いたような姉〜。
姉役の女優さんも、華の無さが素晴らしかったです。(←ホメ言葉)
スカヨハが離婚弁護士に苦悩を打ち明ける場面など、長セリフが圧巻。
夫婦ともに、よ〜くおしゃべりだよペラペラペラペラ!
監督・脚本を担当しているのが、会話劇の傑作「フランシス・ハ」などのノア・バームバックということで、納得の会話クオリティでした。
ノア・バームバックも、かつては女優ジェニファー・ジェイソン・リーとの結婚&離婚を経験していて息子もいるから、もしかしたら、自身の経験談を交えているのかな、とも思いました。
夫婦ともが弁護士をたてて戦うことになる展開になるのですが。
夫妻間の思いやりとは無関係に、弁護士が勝手に泥沼離婚にアレンジしてくるあたりがリアルに感じました。
ハッと気付いたら泥沼になっている、っていう!
もう手遅れなんですよズブズブ!!
離婚弁護士って、ウエディング・プランナーと逆の仕事ですな〜。
弁護士が絡む場面は、アメリカっぽいな〜、と思いました。
どんな「離婚もの」を観ているときもそうですが、かつては愛し合っていた男女なのに、今は気持ちが冷め切っているという場面が、観ていて辛いです〜。
とくに妻のそっけない態度が悲しい〜「もう二度と抱かれませんから」みたいな!
今作の場合、別れる夫婦間の中に情けはあるところが救い。
いっぺんは抱いて抱かれた仲だもの!
夫婦は鬼や悪魔じゃないんですよ!!
夫目線と妻目線の両方を描いてますけども、どっちかというと「妻推し」目線なところに、監督の気遣いを感じて「監督さんも大変」と思いました。
妻推し気味ですか~。近年の映画を見てて「制作側気を使ってるなあ」と思うこと多いです。私は女なのに何故かちょっとしんどい。
最近昔の男映画とか見ると楽しいです。男女間のあれやこれやが解消されて楽しい映画が作られるといいんですけどねー。
by sakaya (2019-12-20 10:10)
sakayaさん。
女性に気を使うことは大事なのですが、あんまり気を使いすぎている映画には「なにもそこまで気を使わなくても」と思ってしまいますね。SNS社会になってから、このような風潮になったと思います。SNSが無かった頃は良かったな〜。
by のむら (2019-12-21 01:31)