「ヘレディタリー/継承」★★★ [映画日記]
ホラー作品ですけども、ガヤガヤしていない。
丁寧に作られたタイプですよ。
じっくりコトコト煮込んだスープみたいなタイプですよ!
誠実に恐怖を描いていながらも、ふざける場面では、ちゃんとふざけています。
頭が良いのに、休日にはちゃんとハメを外して遊んでいるという、リア充の学級委員みたいなホラーですよ!
ある5人家族を描いていて、ほとんどの舞台が、彼らが住んでいる一軒家。
フンイキのある、ステキな木造の家屋です。
木造縛りの舞台なんですよ!
しかし、「アンタ、それ気をつけないと。柱の根本からシロアリに食われちまうよ!」・・・と、注意したい気持ちにもなりました。
中心人物である母親役を演じたのがトニ・コレットですけども。
キレる、血まみれになる等、激しい演技が多く、「こんな役を演じられるのはトニ・コレットしかいない。こんな役は、他の誰もが断りますから!」・・・と思いました。
全編を通して、トニ・コレットが怖い表情をしているのですが。
クライマックスのトニ・コレットは動きもコワーイ!
ものっすごいすばしっこくて、まるでドブネズミを捉えたときのドラネコのよう!!
もはや、作品丸ごと「トニ・コレット劇場」と言って良い仕上がりでした。
ビジュアル的に見事なアクセントになっているのが、娘を演じた子役ですけども。
基本的にかわいい子ですけどもね~。
無表情になると怖い顔になる子なんですよね~。
生まれついてのホラーっ子!
彼女が死んだ野鳥をイジる場面では、おそろしすぎてスクリーンから目をそらしてしまいました。
母と娘を演じた人材が、ホラーという題材にピッタンコなんですよね~。
ホラー女なんですよ!
こんな女性に囲まれて暮らしている旦那さま役が気の毒になりました。
旦那さまは、あらゆる場面で嫁と娘を守っているのに、その苦労は報われることはありませんでした。
屋外での旦那さまは、家族の狂いっぷりを悲観して、車を運転しながら男泣き!
ああ、涙で滲んだフロントガラス!!
屋内では、旦那さまが気を使って抱いてやろうとしているのに、嫁が拒否。
家の外でも内でも、いいことナーイ!
旦那、その嫁の、何が良くて結婚しなすったので?
ねぇ旦那、なぜ入籍しなすったので?・・・そんな疑問を投げかけたくなりました。
旦那とトニ・コレットには息子もいるのですが、人種が違うので「養子かな」と思ったのですが。
劇中でトニ・コレットが「息子は私が生んだ」発言。
分娩発言!
ああトニ・コレット、一体、どこのお国の誰に抱かれて息子ができた?!・・・そんな謎も含めて、複雑でモヤッとした気分にさせてくれるホラー作品でした。
覚悟して行ったのですが、実はあまり怖くなかったです。じっくりコトコト煮込むとお味がマイルドになってしまうのか..?
ラストの生きている最後のアニーには、笑いそうになってしまったくらい(笑い声は上げてないと思いますが)。食卓のアニーが一番恐ろしゅうございました。
by Toriko (2018-12-21 00:12)
Torikoさん。
最初、部屋の隅に婆さんの霊が出てきたときはめちゃめちゃ怖かったのですが、あとはそうでもなかったですね。アニーの演技が、怖さを笑いに変えてしまったのかな。僕も最後のアニーには笑ってしまいました〜。そして、僕も食卓のアニーが一番怖かったです!あの場にいたくないですよね〜。
by のむら (2018-12-21 23:07)