「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」★★★☆ [映画日記]
第2次世界大戦中の実話です。
主人公は、イギリスの天才数学者アラン・チューリングですよ。
インテリ様ですよ!
そのアラン・チューリングが、ドイツの暗号を解く話。
「統計学で戦う」という、戦争映画としては珍しいタイプ。
これは珍戦争!
まーね。
暗号の解き方の詳細は不明でした。
というか。
解き方の説明はされたかもしれませんが。
ひとつも理解できませんでした!(←もっと恥じて)
劇中では、でっかい解読機器を製作し、それに計算してもらうことになったようです。
「ロボ頼り」ですよ!
暗号が解けないときは「解けない、解けない」とお悩みで。
暗号が解けたら解けたで「解けちゃったけど、どうしよう」とお悩みでした。
インテリも大変!
あの人たちも大変〜。(←人ごと)
暗号を解いた後が切ない展開でした。
切ないというか…。
お気の毒!
アラン・チューリングが可哀想なんですよね〜。
戦争を舞台にして、異端児の生き様を描いているのでした。
そして「どうにかアラン・チューリングを救済してやれなかったものか」と、悔しさも感じる話でした。
この映画には、ひとつの偉業が取り上げられてますが。
劇中のセリフ、「時として、思いもよらない人物が偉業を達成するものだ」ってステキな言葉ですね。
世の中を変えていくものって、組織や会社じゃなく、やっぱり1人の個人なんですよね〜。
ひょっとして自分も何か変えられるんじゃないか、と勇気づけてくれる良い言葉だと思いました。
アラン・チューリングを演じたのは、ベネディクト・カンバーバッチですが。
アラン・チューリングは、カンバーバッチのドラマでのハマり役シャーロック・ホームズに通じるキャラクター。
「個性派のインテリ」っていう。
「感じの悪いインテリ」っていう!
だから、今回のアラン・チューリング役もハマるのは当たり前。
「感じの悪さ」が、ど真ん中!
シャーロック・ホームズに似た香りはするものの、やっぱりアレとは全く別人に見せているところは流石でした。
カンバーバッチの子供時代を演じている子役が、カンバーバッチと全く似ていなくてビックリしました。
スターの子供時代を演じる子役は、たいていスターに似ているものなのに…。
きっとカンバーバッチに似てる子なんて、いなかったのでしょう。
あんな顔、2つとないもん!
しかし子役の演技は素晴らしいのです。
どことなく、カンバーバッチのクセを表現しているし、気持ちを押し殺した表情には深みがありました。
なんじゃい、あの子!
あの、カンバーバッチに全く似てないあの子!!
アラン・チューリングの相手役を演じたキーラ・ナイトレイが、今回の演技でアカデミー助演女優賞にノミネートされたのも納得。
アラン・チューリングと似ているようで、全く違う生き方をするキャラクター。
まさに、鏡に写ったアラン・チューリング。
女チューリング!
見事な「受け身」キャラ。
性格も相当サッパリしていて、アカデミー賞の審査員にウケが良いのも分かりました。
こういう女性キャラをさ〜、アカデミー賞の審査員は抱きたがるんだよね〜!
役者の演技は堪能できましたが。
個人的には、もうちょっとアラン・チューリングと同僚の、チームプレイを見たかったな。
そして少〜し、構成が荒い気もしました。
構成が荒いというか、構成が凝っているだけなのですが。
あの難しい構成を、解読しながら観るのが作法なのでしょう。
暗号みたいに。
これ、もうちょっとうまく描けたかな、って感じの映画でしたよね。どっかしら、世界の仰天ニュースっぽさが?2つの話の織り交ぜ方がいまいちな気がしましたが、全く似てない子役の子は頑張ってましたね。
確かに解読部分は「ま、ピンときてガチャンとやったの。大体わかったでしょ?」的な感じが…。カンバーバッチはアッパーなインテリ役に固執してる感があり、どうせオスカー狙うなら、下町のタクシー運転手演じるとか~、って思いながら見てましたw。死んでもやらないとは思いますが。ハリウッドがカンバーバッチを売り出しているのが良く分かる映画でした(でもなぜ…)。
by とんび面 (2015-03-15 01:02)
>こういう女性キャラをさ〜、アカデミー賞の審査員は抱きたがるんだよね〜!
お見事な洞察力と解読能力です。
愛のアラン・チューリングと呼ばせていただきます。
by aneurysm (2015-03-15 10:51)
とんび面さん。
そうそう、2つの話の織り交ぜ方が、僕もどうも雑に見えてしまいました。カンバーバッチやナイトレイがアカデミーにノミネートされるのは分かりますが、作品賞や監督賞までノミネートされるのは、ちょっとホメ過ぎのような気がしました。カンバーバッチ、これからもインテリ役を続けるんでしょうかね〜。今回が集大成みたいなフンイキでしたけど。僕もタクシーの運ちゃん役を観てみたいな。
aneurysmさん。
アカデミー審査員の女性の趣味も偏ってますからねぇ。毎年のようにメリルストリープを抱きたがっているのもスゴいです。でも、好みがハッキリしているのは、気持ちがいいですよね。
by のむら (2015-03-15 13:54)
まさにおっしゃるとおり、結局どうやってエニグマを解読したのかは
わからないまま、でしたよねww
B・カンバーバッチは実に俳優としてはおいしい顔してますね。善玉
悪玉、不思議キャラ、なんでもいけますから。
主人公の子供時代、全然似てませんでしたねwwまああんな特徴的
な顔した子役もいないでしょうからしょうがないかもしれませんが。
K・ナイトレーはそんなに褒められるような演技かな~と思いましたが
アカデミー受けはよかったみたいですね。それにしてもラストがとって
も切ない、悲しい映画でした。
by gorota@sj (2015-03-16 00:47)
gorota@sjさん。
解読方法。詳しく教えられても、どうせ理解できないので、パパっとやってくれて逆に助かりました。解読方法の説明だけで2時間埋まりそうですしね。
ラストが悲しく、しかもずっと隠されてきた真実の話、ってことで。ケチをつけられない映画なんですよね〜。
by のむら (2015-03-16 13:09)